3月22日 晴天。
雨が続いた週末は一転、雲ひとつない晴れ空。春の陽気の中で,絶好の杉山日和となりました。今回のツアーは、前回の倍以上、総勢30人弱の参加者となりました。参加者の多くはスギダラ会員ではなく中央線デザイン倶楽部の会員で構成され、建築業、合板製造会社、家具デザイン、空間プロデュースなど、杉を扱う様々な分野の方が集まりました。スギダラ会員以外のメンバーの方が多いイベントに参加するのは初めてで、スギダラとは少し違った雰囲気の中始まりました。
今日は,武蔵五日市駅を出て檜原町を抜けて山梨との県境に近い山で、伐採見学をさせて頂きます。切った杉をワイヤーで斜面から降ろし、枝を落とした後に4m程の長さに切りそろえる作業を見ながら、中嶋さんに杉山から木材を切り出す工程、東京の杉山,木材業者が今ある現状や、その仕組みを説明して頂きました。
東京の杉の現状............
東京の杉山もまた、全国と同じように山主の老齢化や、市場価格が運用コストと見合わずに杉山が放置されてしまい、結果、山が荒れてしまうと言う悪循環に陥っています。東京の杉の生産量は、宮崎や群馬のそれと比べて少なく、工場の規模も比較的に小さいため市場での競争力が国内でも強いとはいえないそうです。
東京都の杉対策............
東京都では、花粉症対策として都が杉の伐採を進するために,山の所有者から委託を受けて企業に伐採・加工を促しています。主に杉山の管理・運用が難しい所有者がこの対策を利用していて、業者は伐採・加工した後、市場で販売することができます。杉山は伐採した後に花粉の少ない杉の苗木が植えられるそうです。しかし、現状では伐採・運送・加工にかかる費用を差し引くと市場で販売しても利益を上げるのは難しいそうです。
伐採現場、乾燥施設、製材所と見学した後、近くの公民館で懇親会を行ないました。懇親会では、盛んに意見交換が交わされました。栃木県では山の産業に対して保護政策が取られており、県民一人当たり700円の負担を負っているものの、山主の高齢化、山の維持にかかる費用が嵩み採算が難しいことなどお隣の栃木でも同様の問題があること。皮は昔、防虫や断熱の効果から屋根に使われていたそうですが、現在は燃料として利用される他に使い道がないが、その杉の皮を他に利用できないか。在来伝統住宅である木造住居を復興させその技術者を育成するためには、日本の木材が重要であり、現在問題となっている花粉をどうにかしてプラスに変えて、産業を守ることは出来ないか。またある人は所属する企業の国産材プロジェクトの一環として、環境問題を意識した住宅供給で今後杉を使うことを提示するなど、これから杉材を必要とする場所も、また杉の魅力を発見する仲間も見つけられました。
今後のスギダラトーキョーに乞うご期待!!