10月13日(日)くもり.
スギダラトーキョー第一弾企画多摩産材見学ツアーに行きました!長かった夏も終わりを向かえ,秋のスギダラトーキョーです.
今回,中嶋氏(有限会社中嶋材木店)が伐採場,製材所を案内してくださいました.
武蔵五日市駅に集合した後,木材が切り出される伐採場を見学しました.駅から車で現場まで向かいます.途中でアスファルトから砂利敷きの舗装に変わり,どんどんくねくねとした細い山道へと変わって行きました.車にしばらく揺られ現場に到着.同じ東京とは思えないほどきれいな空気に清流!東京にもこんな山があったんです!秋の涼しい木陰の中を進み,伐採所へと向かいます.
伐採場では,沖倉さん(沖倉木材)に,案内していただきました.車では入れない奥地の斜面に位置する杉林から杉を切り出し,ワイヤーで山奥から杉を運び出す現場の見学です.
そのとき!
カラカラ・・・
杉がワイヤーにつるされて運ばれてきました
ズドーン!
ガラガラ
ガラ・・・
落ちてきた丸太を巧みに操る後姿.
沖倉さんのお父さんです.
満面の笑みで迎えてくれました.
自分よりも大きな丸太をチェンソーで切り,手際よくまとめて行きます.
小さな巨人です.
現場には普段は目に触れることのない大きな丸太が転がり,子供が大好きなアスレチック.ワイヤーを動かす機械は程よい樹と枝,ブルーシートで作った可愛いらしい小屋のなかにあり,急斜面にあるその様はトムソーヤのツリーハウス.仲間たちはなかば興奮気味で見学しました.
右から,
中嶋氏,大野氏,沖倉氏,石田氏,出水氏,チヨダラ氏,南雲氏
沖倉氏は,現在の多摩産材の現状について,熱く語ってくれました.杉の単価が安くなりすぎてしまったため,現状の杉を切り出しても,新たな苗を植え育林するコストを補うことが難しくなってしまったこと,現在の社会体制では民間企業単体として林業を続けることが大変なことであること,国産杉の消費について今後大いに不安であることなど,林業と言う産業を続ける上での問題点をはじめ,民間企業の置かれた様々な現状を話してくれました.スギダラの仲間たちは,それぞれ何かを感じているようでした.
14:00 中嶋材木店の所有する木材置き場へち移動.
材木を置いてある場所には,綺麗な肌色をした杉の角材から黒ずんだものまでありました.杉も日焼けをするので黒くなるそうです.杉の表面を削ぎ落とせばきれいな表面となるそうです.
杉の他に鉄道の枕木に使うカナダから来たヒバがありました.ヒバは腐食に強く年輪が極めて細かく刻まれて木目が一見して分からないなめらかな肌です.
杉でできた小屋にはたくさんの木材が.
なんだか可愛らしい横顔です.
そのあと,製材所へ移動.
木の表面をブラストで削ったもので,木目の間の柔らかい部分だけが削られて,木目が少し浮き上がっている仕上げです.
写真じゃちょっと分かり辛いかもしれませんが,触感が全然違います.床に使ったりすると足の心地が独特な木の雰囲気が出ます.
杉やひのき,集製材が並べられて仕上げと一緒に見て触って比べてみました.
そのあとは・・・
もちろん,杉談議です@製材所の裏の集会場
多摩産材の持つ魅力をどう人々に広めるかと言うことについて語りました.
スギダラトーキョーの今後と深く関わってくる意見が!?
「デザイナーの多い東京で多摩産材をどうアピールしようか・・・」
「まずは,東京にも木材となる木があるってことを分かってもらおうよ」
「コンペ!祭り!小屋作ろう!
30棟並べば,
壮観(そうかん)だよなぁ...
・・・
それは,
そう簡(かん)単にはいかないよ」
ずっこー
そんなこんなで,そのあとももちろん杉談議へと流れていきました.
多摩産材は,人口が一番集中している都市,東京から近い立地で,かつ様々な企業が集中しデザイナーも多く住んでいるにもかかわらず,東京の材料として認知があまりえられていないと同時に林業に直接従事している方々の間での杉は,まだ開拓されていない利用方法もあるのではないかと言う意見が出ました.今後,デザイナーや企業と一緒に開拓していく杉の未来を考えながら,思考・実現し広めていこうとまとまりました.
スギダラトーキョーとしてはじめは,一体何をしたらいいんだろうと右往左往している状態ではありましたが,今回多摩の杉を知ってもらうためにも身近な場所を皮切りに,川原や商店街,杉山など色んな場所で色んな杉の顔を作りながら,スギダラトーキョーは進んでいきそうな予感.これからの展開がすごく楽しみです!
今回,うかがったお店は昔の蔵を改装しているイタリアンレストラン!美味しいご飯にスギダラの仲間たちは,さらにヒートアップしていくのでした...